登別温泉と言えば、言わずと知れた超有名温泉地。小さい頃に行った記憶では地獄谷、クマ牧場がある昭和の匂いが漂う温泉街と言うイメージ。
久しぶりに泊まって、その温泉の力と温泉街の魅力に感心したので記事にします。
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インバウンド、子連れ、高齢、温泉マニア、様々な要望に応える受け皿の広さ
正直なところ登別温泉の第一滝本館というと昭和のバブル期に栄えた大規模旅館というイメージがあり、個人旅行で行くにはどうかな?と思っていました。
それでも宿泊先をここにしたのは、豊富な源泉の数ゆえ。
実際に行ってみると、赤ちゃんを連れていても、高齢になった親を連れて行っても楽しめる使い勝手の良い宿だなと感じました。
そして特筆すべきはお風呂でしょう。5つの泉質にさまざまな種類の浴槽があり、まるで温泉の美術館のよう。
フロントには数ヶ国語話せるであろうスタッフの方が迎えてくれます。
館内では、広い館内を活かしてスタンプラリーや夏祭りイベントをしており子供達が食いついていました。
第一滝本館は、客室数400室の大規模旅館。プールもあるとはいえ、脱衣所も浴場も十分な広さを持っています。もちろんジャグジーや露天風呂は人気のため少し混み合いますが順番を待っていればそれほど気になるほどではありませんでした。
浴場にはアップリカの赤ちゃん椅子、浴室用車いす、介護椅子があり、スロープもあるなど細かく配慮されています。
登別第一滝本館は温泉にこだわりあり
何と言っても名物は温泉。男女別の大浴場と水着で楽しむ温水プールがあります。
大浴場の脱衣所前にはタオルが置いてあり、使いたい時に使えるのは本当に助かります。
使用したタオルは脱衣所で回収しています。
水着や浮き輪の貸し出しもここで行なっているので持ってきていなくても安心です。
さらには売店もあるので湯上がりビール、瓶牛乳も飲めてしまうのも嬉しいところ。
5種類の泉質 しかもその泉質を多様に使い分けている
登別温泉は温泉のデパートと聞いていたが、まさにその通り9種類の泉質を持っている。
その中でも第一滝本館は5種類の泉質を有している。
硫黄泉の湧出量が豊富なようで多様な湯船に使われていた。
- 硫黄泉×うたせ湯 (38℃)
- 硫黄泉×寝湯 (38℃)
- 硫黄泉×露天風呂(40℃)
- 食塩泉×湯船(40℃)
- 食塩泉×檜風呂 (42℃)
- 食塩泉×腰湯(露天) (39℃)
- 食塩泉×歩行浴(温冷)(温40℃)
- 酸性緑ばん泉×湯船 (40℃)
- 酸性緑ばん泉×露天風呂(41℃)(加水加温なし空冷):金蔵の湯
- 芒硝泉×湯船 (39℃)
- 重曹泉×湯船 (41℃)
- サウナ、水風呂
- ミストサウナ、水風呂
このうち硫黄泉と緑ばん泉、芒硝泉はpH2〜3の酸性。酸性のお湯は湯あたりしやすいので、水分補給たっぷりしてからはいる。
休憩どころも抜かりなし。水とならんで蝦夷ウコギ茶を飲むことができる。ウコギってどんな植物だろう、さっぱりとした苦さが湯上がりにちょうど良い。
浴槽の種類6種 (湯船、露天風呂、腰湯、打たせ湯、寝湯、歩行浴)+サウナとこれだけの種類を揃えるのはお見事。
大浴場の楽しみ方-とにかくいろいろ入ってみる
通常の湯船だけではなく、露天、寝湯、露天、ジャグジー、サウナ、ミストサウナ、歩行浴、打たせ湯がある。
歩行浴や打たせ湯はなかなか他の温泉では見られないものだろう。
歩行浴は食塩泉で、熱いお湯と冷たいお湯を交互に歩行することで循環促進を促している。床には凸凹や竹が敷いてあり足裏にも心地よい刺激となってよい運動浴になる。
子供は冷たいお水にはまってずっと歩いていた。
寝湯と打たせ湯は隣同士にあり、どちらも硫黄泉。打たせ湯で刺激を得てから寝湯でゆっくりというのを繰り返していると、凝り固まった重症肩こりもほぐれていく。
食塩泉の大浴槽は景色も綺麗で、早朝入った時は散歩にきていた鹿と目があった。男性の浴場は地獄谷を眺めながら入れるようで羨ましい。
サウナはまだ苦手なんだよな〜。ミストサウナはサウナ内に冷水の足湯があった。
大浴場の楽しみ方-露天風呂で一杯という憧れを叶えてくれる
女性の浴場には露天風呂は4種類
- 硫黄泉の湯船が2か所 (40℃)
- 酸性りょくばん泉:金蔵の湯 (41℃)
- 食塩泉の腰湯 (39℃)
露天風呂で飲み物の購入もできる。露天風呂に浸かりながら一杯、というのは憧れるシチュエーション。実際にできるところは少ないので嬉しいサービスではないだろうか。ノンアルコールドリンクもあるので親子で楽しめる。
食塩泉の腰湯は無臭無色透明、「熱の湯」の名の通りじんじん温まる。ほのかな塩味。
湯口は背もたれの上にあり、腰掛けると背中に薄く流れ出る源泉があたる。
全身が温まり冬でも寒くなく浸かっていられそう。
一番広いのが硫黄泉の湯船で、少し白濁した湯は熱すぎず心地よい。酸性のお湯なので酸の酸っぱさが際立つ。硫黄の香りがあまりしなかったのはもう鼻が慣れてしまったからかな。
酸性緑ばん泉の金蔵の湯が素晴らしく、早朝一人で独占してしばらく浸かっていた。
無色で酸味とほのかな鉄分を感じる湯。
48.7℃の源泉を加水なく水車とといで空冷し適温にしている。くるくる回る水車とといとためが3個ほどで温度調節。至純と評される温泉。湯船は北海道によく見られる落葉松(からまつ)の木とのこと。あまり湯船で使われない木材にこだわりを感じた。カラマツの板の凸凹や割れ目に硫黄成分が白くたまっていて、温泉の濃さを感じる。
露天風呂は温度も絶妙に変えられているので、熱湯好きな人もぬる湯好きな人も自分好みなの浴槽がみつかるだろう。
大浴場の楽しみ方ー豊富な選択肢ゆえ可能なプログラム提案
第一滝本館では、豊富な浴槽を活かして入浴プログラムも提案していた。
一般コース: 掛け湯→全身浴→打たせ湯
精神健康コース: 掛け湯→全身浴→寝湯→休憩→気泡風呂→打たせ湯→寝湯
うろ覚え、、他にも歩行浴などを活かした運動コースもあった。連泊した時などコースに沿って入ってみるのも面白そうだなと感じた。
そして浴場自体がとても広いので、浴場内を歩いているだけで軽運動になるところがいい。
そして外国の人向けにそれぞれの浴槽に英語や中国語で表記があり、困ることが少ないように思えた。特に欧米の人は熱い湯船に慣れていないので、ぬるめの浴槽や歩行浴は人気なんじゃないかな。
飲泉所も設置
第一滝本館には自家源泉の「飲泉処ゆのか」もある。
重曹泉の温泉を飲むことができ、並べている冷水と交互にのむと湯上りの水分補給にちょうど良い。
ほのかな甘みでとても飲みやすい味。
登別には飲泉できるところが三カ所あり、どれも泉質が違うところが面白いところ。
登別第一滝本館は豊富な泉質、浴槽、歴史もありでまるで温泉の美術館
金造の湯以外は加水加温しているものの、これだけの規模を塩素添加なしで管理するのは湯守の方のとてつもないこだわりを感じる。
「湯守」はその五感で源泉の変化を捉え、天井から湯底まで毎日清掃される浴場に安定したお湯を引き入れます。
公式ホームページより
これだけの源泉があると、温度や性質が急に変化する事は無かったのかなとか聞いてみたいな。
館内には古いパンフレットも掲示されていて昔から愛されていたことが伺える。温泉の効用だけでなく副作用も書いているところがいい。医療としての一助となると確信があったんだろうな。
温泉の泉質にこだわっていたり、正しいお風呂の入り方を提案していたりするところは多いけれど、入浴プログラムまで提示してくれる温泉旅館は多くはない。
正直なところ、客室やサービスは一般的といったところだが、温泉へのこだわりと種類の豊富さは一度入ってみてほしいとおすすめしたい。
温泉の美術館ね。