地獄谷といって思い出す景色はどんなものでしょうか?
私はなんといっても登別の地獄谷のように山裾に噴煙がもくもくと立っている景色。
いかにも赤鬼が金棒持って出てきそうな雰囲気。
火山の多い日本には多く見られる景色です。
地獄谷というとこういった光景を思い出す方は多いのではないでしょうか。
ドイツで温泉を探していた時に、地獄谷(Hell Valley) という表記を見つけました。
お、面白そう、と思って行ってみた先には、冒頭にあるような思っても見なかった地獄谷がありました。
(※注意:コロナ禍前に行った情報なので、ご自身で行く場合は最新の情報をお調べください)
ドイツ、バイエルン州にある地獄谷Höllentalklamm
Höllentalklamm(Hell Valley Gorge)は、日本から直行便のあるミュンヘンから日帰りのできるハイキングコースで、ドイツ最高峰であるツークシュピッツェ(Zugspitze)の山裾にあります。
ちなみにツークシュピッツェは頂上近くまでケーブル カーで行くことができ、360 度の大パノラマを楽しむことができる人気観光地です。
地獄谷へはミュンヘンから電車で1時間半のガルミッシュ・パルテンキルフェンという街から登山鉄道でスタート地点までアプローチします。
スタート地点からアルプスの山並みを見ながらハイキングすること1時間強。
その地獄谷にあるのは圧倒的な渓谷美でした。
ジョージの地獄谷
Höllentalklamm(Hell Valley Gorge)と呼ばれるこの場所は19世紀鉛鉱山だった所です。銀やバナジウムなどの鉱物を採るために掘り進められ1945年に閉山しました。そして20世紀に入ってから観光用に整備されました。
5ユーロの管理料を支払って入場します。
地獄谷に入った瞬間、轟轟と響き渡る川の流れに圧倒されます。
しかもその水の澄んでいること。しばし呆然としてしまいました。
上を向くと断崖絶壁の岩の割れ目から湧水のシャワーが落ちてきて、気持ちよく歩くことができます。
およそ30分程度あるくと平坦な川辺に出ます。
今までの急峻な岩場とは打って変わって和やかな雰囲気。
一休みするにはちょうど良い休憩ポイントです。
休みながら渓谷に流れゆく水の迫力を眺めていると、
ディズニーランドのスプラッシュマウンテンはここをモデルとしたのだろうか、なんて思えてきます。
ここで持ってきたおにぎりで一休み。
ここからロープウェイに抜ける登山道もあるようですが、体力と時間と相談してここから引き返しました。
引き返す道ももちろん圧倒的美。
一歩足を踏み外せば激しい流れの川に飲み込まれてしまう様子はまさしく地獄谷と言って良いのではないでしょうか。
地獄谷の差で日本が火山大国であることを改めて感じる
Höllentalklammに行って思うことは、日本の地獄谷と大きく違うなということでした。
国土の70%が森林である日本にも、ジョージの地獄谷のような渓谷は多くあります。
むしろありふれてありすぎるからこそ、あえて地獄谷と呼んでいないのではないかとおもうほどです。
だから、日本では噴煙が上がり硫黄臭漂う景色に地獄をイメージするようになったのでしょうか。
しかも日本各地にそのような地獄谷が多くあることを思うと、日本が火山列島、地震列島だということを実感します。
ヨーロッパにも噴煙上がる火山帯はある
ヨーロッパにも噴煙がもくもく上がる現在も活動中の火山はあり、
アイスランドとイタリア南部に固まっています。
アイスランドでは、2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火でヨーロッパ全域の航空運行を麻痺させ大混乱を巻き起こしたことを覚えている方も多いと思います。
アイスランドには他にも多くの火山が分布しています。
イタリアの南部にあるシチリア島には、2022年にも大規模な噴火があったエトナ山があります。
今でも数ヶ月おきに噴火していて、ヨーロッパ最大の活火山と言われています。
どちらの場所も街中は美しく整備されていますが、郊外に出ると岩石がゴロゴロしており火山帯であることがよくわかります。
アイスランドでは噴煙がもくもく上がるような日本人の思う地獄谷のような場所もありました。
ドイツの地獄谷は、ミュンヘンからアクセスも良いので、是非観光のついでに足を伸ばしてはいかがでしょうか。