函館市から車で一時間ほどの町、上ノ国町は今回の旅で知った町。
特に大きな理由はなく通りかかった町ですが食、温泉、景色とどれをとってもハイレベルで印象に残る町でした。
湯ノ岱温泉は上ノ国町中心街から山間に車を走らせること20分程。
大千軒岳を分水嶺とする清流天の川沿いにあります。
上ノ国道の駅もんじゅで買った江差名物の五勝手屋羊羹をちびちびたべながらドライブしていたらあっという間。
見た目は公民館を改装したような建物。
炭酸泉に入ることができると聞いてちょっと寄ってみようという軽い気持ちで入浴。良い意味で期待を裏切ってくれました。
上ノ国町国民温泉保養センター(通称:湯ノ岱温泉)https://www.town.kaminokuni.lg.jp/hotnews/detail/00000167.html
入湯料350円(格安!)を支払い中へ。
天の川沿いということもありこの街では至る所で織姫彦星を見ることができます。受付のある待合室には地元の名産品の直売あり、アットホームな雰囲気。
利用者も、地元の人が多いのかな?皆さん使い慣れている感じがします。
のれんをくぐっていくと温泉分析表があったのでちらみ。源泉は2つあります。
ふむふむ、ナトリウム、カルシウム、塩化物、炭酸水素
おお 遊離二酸化炭素1001mg!炭酸泉の基準を満たしており期待できますね。
源泉温度は34.5℃と38.5℃のため一部加水加温しています。
進んでいくと、まるで会議室なのかというようなドア。
平日の昼間にもかかわらず10人以上が入浴していて、次々とお客さんが来ています。
浴室に入るとあたたかくほのかな鉄分の香り。
入ってまず驚くのは床の模様。温泉の析出物でうろこ状になっています。
特に奥の一号井源泉の周りは千枚田のよう。
浴槽は3つで、脱衣所側から加温加水されている42℃の2号井、真ん中が源泉そのままの2号井、奥に源泉そのままの1号井(ジャグジー)になっています。
さらに打たせ湯もあり1号井の源泉が使用されています。
鉄分の影響でお湯は褐色。
炭酸泉の1号井がジャグジーになってしまっているのは少し寂しいところ。
はじめに、人がいなかった加温42℃の浴槽へ。
程よい熱さと鉄分のにおいが体に染みこみます。私が入ったときはこの湯船が一番泡付きがはっきりしていました。吸水口近くで泡付きととろみを感じているとごぼごぼっと不定期な流れが。まさに今湧いているということを実感します。口に含むとしゅわっとして確かな炭酸味を感じ、そして鉄分と塩味がほんの少し。
真ん中の源泉38℃は不感温度の気持ちの良いぬる湯で、窓の外の緑を眺めながらずっと入っていられます。こちらのほうが温度が低く炭酸が抜けにくいはずなのですがその日の調子か泡付きはいまいち。
続いて打たせ湯へ。打たせ湯は衛生上の観点から源泉かけ流しが推奨されており、湯量が豊富でこだわりのある温泉でしか見ることができません。
炭酸泉のうたせ湯なんてレアレアなのではないでしょうか。
ぬるめでほどよい勢いに根強い肩こりもほぐされていきます。
うたせ湯も勢いに緩急がありそれが逆に良いリズムを生み出しています。
最後は1号井の源泉35℃のジャグジーへ。
泡付きは見られないものの体温より少し低い温度のため入るとひんやりします。
そして炭酸泉特有の徐々にポカポカする感じが。
炭酸泉の確かな効果、血行促進を感じながら横のうたせ湯と床の析出物アートをながめながら悦に入ります。
炭酸ガスは皮膚から吸収されて体内に直接作用をもたらす貴重な成分。経皮吸収された物質の効果をリアルに体感できるところが炭酸泉が好きな理由なんだなとしみじみ思います。
床と壁の析出物は鍾乳洞なみ。
あ、隠れミッキーみっけ、ハートもありそう、
なんて探してしまうのは、よいお湯に出会えて気持ちが盛り上がっているから。
ぼんやりできるよい時間でした。
どうやらこのセンターの近くに野湯もあるらしく、探してみたい気持ちがでてきますが後ろ髪ひかれつつ出ます。
温泉を出たところには床屋さんもあります。全国の例にもれず高齢化が進んでいるであろうこの地で、温泉に入りに来て一緒に散髪もできるというのはとても便利なのではないかと推測できます。しかも出張カットまでやってくれてありがとう!
休憩所でもまったりくつろぐことができそう。
アクセスはよくはありませんが、わざわざ訪れたい気持ちの良い温泉でした。
湯ノ岱温泉はぜひ上ノ国町道の駅もんじゅとセットで楽しんでほしい
上ノ国町道の駅もんじゅはじゃらん北海道の絶景道の駅ランキングで1位になったこともある道の駅。2階のレストランからはこの絶景を見ながら食事をすることができます。
崖の下まで続く散歩道も整備されているため食後の運動にもピッタリ。
食堂では、このあたりでとれる「てっくい」(人の手をくってしまうくらい大きなヒラメ)を推していました。ほかにもシマ海老トマトクリームパスタなどおいしそうなメニューもたくさん。
おみやげ売り場でも、いけすでアワビや時期によっては生きたシマ海老も販売しているようで、時期をかえてきたくなります。
そして、大好きなフリーペーパーであるScenic Byway(シーニックバイウェイ)でみつけたワイナリーも必見。
湯ノ岱温泉のすぐ近くにあるKAMINOKUNI WINERYさんは廃校になった小学校をリノベーションしてワインづくりをされています。
宿泊することもできるようです。これから新名所となるでしょう。