前回、飲泉には基準があり適応症もあるよ、という話をしました。
今回は、温泉の話をする上で切っても切れない泉質の話。
みなさんは温泉の行き先を選ぶときにどのような基準で選びますか?
わたしは食べることが好きなので、
「この地域のこの料理を食べたい、できればこの酒蔵も行く!」というのがたいていの旅の始まり。
そこから宿など調べながら旅行の日程を煮つめていきます。
その中でいい温泉があれば必ずプランにとりいれます。
特に「炭酸泉」が特に好きなので、ピンポイント検索で行ったりします。
泉質について分類と命名法について書いています。
泉質については詳しく記載されているほかの記事も多いためさらっとまとめています。
日本温泉協会さんのページを参考にさせてもらうことが多いです。
温泉の泉質
日本では環境省が泉質を次の10種類に分けていいます。
1 単純温泉 (32.4%)
2 塩化物泉 (27.2%)
3 炭酸水素塩泉 (10.1%)
4 硫酸塩泉 (10.9%)
5 二酸化炭素泉 (0.59%)
6 含鉄泉 (1.4%)
7 酸性泉 (1.1%)
8 含よう素泉 (データなし)
9 硫黄泉 (8.1%)
10 放射能泉 (2.97%)
()内の数字は日本全国の泉質に占める割合。環境省による温泉利用施設へのアンケート結果から抜粋しています。2004年のデータです。
環境庁のHPには泉質について適応症とともにわかりやすくまとめられています。
「療養泉」とは温泉のうちとくに療養に役立つ泉質をもつ温泉、と定義されています。
温泉に掲示されている分析書を見ると、ほとんどの場合はこの泉質名がかいてあります。
「単純温泉」とか「含硫黄ーナトリウムー硫化物泉」などですね。
この命名法のルールを知ると泉質を理解しやすくなります。
温泉泉質の命名法
泉質は似たような名前が多く覚えづらいと思う方もいるのではないでしょうか。
温泉に行っては成分表を眺める私も、泉質の分類についてぼんやりとしか理解していませんでした。
「それぞれ何を基準に分類しているか軸がそれぞれ違うこと」、「〇〇泉とは一つだけ当てはまるものだ」という考えがわかりづらくしている理由でした。
泉質の命名法のルールは環境省がだしている「鉱泉分析法指針」で定められています。
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)
これは草津温泉のポータルサイトから見つけた泉質の表記です。
この-(ハイフン)で繋がれた内容と順番は適当に書かれているのではなくルールがあります。
どういうルールかというと、
「Ⓐ特殊成分-Ⓑ陽イオン-Ⓒ陰イオン」です。
一つの項に二つ以上記載があるものは、含有量が多いものから書きます。
つまり上の草津温泉の例で行くと、
「酸性かつ、硫黄成分が規定以上入っており、陽イオンとしてアルミニウムイオン、陰イオンとして主に硫酸イオン、副成分として塩化物イオンも規定以上入っている温泉」ということになります。
(改めて草津温泉ってすごい‥)
(ちなみに「硫化水素型」は含まれている硫黄の形をあらわしている)
先に書いた泉質分類は次の大きく3つに分けられます。
・単純温泉:①単純温泉
・塩類泉:②塩化物泉③硫酸塩泉④炭酸水素塩泉
・特殊成分で分類:⑤硫黄泉⑥酸性泉⑦含鉄泉⑧含ヨウ素泉⑨二酸化炭素泉⑩放射能泉
塩類泉はCの陰イオンで分類されたもの、
⑤~⑩はAの特殊成分の濃度で分類されたもの。となります。
泉質を考えるときに、命名法に沿って特殊成分、陽イオン、陰イオンにわけてそれぞれ考えるとわかりやすいのではないでしょうか。