「温泉」と「スパ」は比較されることも多い。
「スパ」と聞いてイメージするものは何でしょうか?
その「スパ」の語源とも言われる街がベルギーにあります。
2021年7月には「Great Spas of Europe」として、
ベルギー「Spa」を含む11か所のヨーロッパの温泉地が世界遺産に登録されました。
最近その事実を知ったので、
10年以上前に行ったSpaの旅を振り返って、温泉とスパの違いについて考えてみたいと思います。
SPAの場所
ベルギー東部・リエージュ州に位置する街
「SPA/スパ」
ベルギーの首都ブリュッセルやドイツのケルンから電車で約1時間半。
ブリュッセルから行ったときは電車を2つほど乗り継いで行きました。
東京から箱根に行くくらいの距離感なので、日帰りでもぎりぎり行ける距離。
ドイツのケルンから行く人も多いようです。
SPA 街の概要
無人駅に近い、小さな駅舎
スパの歴史は古く、16世紀頃から温泉地として使われており、
ベルギー王室を始め多くの著名人が療養のために訪れたと言われていたそうです。
ロシアのピョートル大帝が医師の勧めで1ヵ月ほど湯治したところ肝臓病が治ったとも言われ、そこから人気に火がついたとのこと。
人口1万人ほどの小さな街で、カジノやF1レース場もある小さいながらもバラエティに富む保養地です。
街の中心「Thermes de Spa」テルメドスパ
この街で中心となっているのが巨大温泉施設
「Thermes de Spa」
日本の温泉施設とは違い、ヨーロッパでよく見られる水着を着用して入る温水プールに近い施設です。
サウナや個別バス、トリートメントなどもあります。
公式サイトより 丘の上の森の中
丘の上にあり、街中からは麓から急な坂をケーブルカーで登っていきます。
距離としては短いので帰りは歩いて散策しながら帰りました。
森の中を歩いて15分くらいの距離で、
歩くと急勾配がよりよくわかります。
急勾配を登るケーブルカー、斜度は30°を越えるでしょうか。
施設内は水着着用で、15歳未満は入れない大人向けの施設。
料金は3時間30€ 、1日41€。
まずお出迎えしてくれるのはSpaの三つの源泉。
自由に飲むことができます。
一つだけ真っ黒なのは鉄分を多く含むため
三つの源泉には以下の名前がついています。
- The Clementine spring (直訳で「ミカンの源泉」?)
- The Reine (Queen) spring(女王の源泉)
- Marie-Henriette spring(マリー=アンリエット泉源)
公式サイト泉質の成分表が載っていました。
・The Clementine spring (ミカンの源泉?)
重炭酸塩とカルシウムが豊富
加温、塩素消毒されてメインプールに供給される
以下に良いとされている。
Digestion 消化
Liver detoxification 肝臓での解毒
Balneothérapy 温泉治療
・The Reine (Queen) spring(女王の源泉)
ミネラル成分が少なめでデトックスのため飲用に使われる
Diuretic therapy 利尿作用
Rehydration 水分補給
Low sodium dietary regime 減塩食事療法
・The Marie-Henriette spring (マリー=アンリエット泉源)
Spa最古の源泉
天然の炭酸と重炭酸塩、鉄やマンガンを豊富に含む。
炭酸風呂、泥炭風呂、吸入に使われる。吸入の場合は硫黄が活性成分とのこと。
Carbonated baths 炭酸風呂
Spa massage showers マッサージシャワー
Power showers パワーシャワー
にも使用されている。
飲む順番は2→1→3がおすすめ。
というかマリー=アンリエット泉の苦しょっぱい味の印象が強すぎて他の印象はなくなってしまします。
女王の源泉はヨーロッパには珍しく軟水なのでよく飲まれたのでしょうか。
フロントで受付を済ませ、リストバンドキーとタオルを受けとります。
リストバンドキーでレストランやその他のオプションを登録し、最後に精算するシステム。
全館水着着用で混浴の温泉プールにゆっくり浸かります。
屋内プールと屋外プールがあり、深さはヨーロッパの人に合わせてか少し深め。
浮遊感を楽しむことができます。
水温はぬるいので、日本の温泉を想像して行くとガッカリします。そこは注意ですね。
サウナで温まってまた浸かるを繰り返しました。
プールには食事をとれるところもあるので、軽く食べてゆっくり浸かるという人も多かったです。
別で予約が必要なトリートメントもあります。
私は入っていないのですが、次の記事で少し紹介しているので見てみてください。
SPAの飲泉所
Spaの街には至る所に飲泉所があり、
源泉が300以上もあるといわれています。
全部を回るのは歩きでは難しいけれどいくつかめぐってみるのはとても楽しいです。
飲泉所はSpa中心部にもあるのでコップ片手に散策できます。
噴水のようなマークが飲泉所の位置です。
Spaは街並みもかわいらしく、散歩するだけで楽しいです。
都市部だけでなく、街を歩きながらベルギーの田舎町の雰囲気を楽しむのはいかがでしょうか。
街を歩き回って源泉の味見をして、
おやつをつまんで、
スパでリラックスして。
小さな街だけれど、ここにしかない経験ができるはずです。