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薬剤師ぷふまる
旅と温泉が好きな薬剤師です。
温泉はとくに炭酸泉が大好き。泡が付けばつくほど喜びます。

このブログでは、温泉の中でも温泉水を飲む「飲泉」に注目して、薬剤師目線で書いていきます。

温泉って飲んでいいの?飲泉の基礎

温泉といえば湯船に浸かってのんびりしたあと湯上がりの牛乳。という方も多いと思いますが、飲むこともできることを知っていますか?

温泉水を飲むことは環境庁からも認められていることで、適応もちゃんとあるんです。
私は入るのももちろん好きですが、飲泉も大好き。
飲泉施設があれば必ずチェックしちゃいます。

何が楽しいかというと、
「泉質によって味が違うところ」
当たり前だろ、と思うかもですが、
これが奥が深いんです。

目次

飲泉の適応症

奥深さをお伝えする前に、
適応と禁忌症について確認しましょう。

以下、環境庁発行「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」より抜粋。

日本で分類されている10個の泉質について、こんな人が入浴、飲泉すると効果的かもよということがまとめられています。
 オレンジの丸が飲泉の適応ですが、思ったより多くありませんか?
「鉄が入っている温泉は飲むと鉄分補給できそうだなぁ」くらいは予想がつきますが、硫黄泉が糖尿病?コレステロール?関係あるの??と思いますよね。

 ちなみにここでいう適応は、医薬品に対する適応とは異なることにも注意が必要です。
医薬品の保険適応は公的な審査、承認を経て効果が医学的に認められていることを意味します。
一方で、温泉の適応症は、「含有成分、入浴の温熱作用、周辺環境や気候などが総合的に働き効果を発揮する。」とあり、温泉の成分のみによって効用を確定することは困難と考えられています。

綺麗な景色を見ながら温まっていい気持ちになる、一連の変化が効用をもたらすということですね。

飲泉の一日量

 量もたくさん飲めば良いというものではなく、適切な量が定められています。

1回100〜150mL、1日あたりおおよそ500mLまで。飲泉の許可を受けた新鮮な温泉を清潔なコップで飲むこと。
持ち帰らずその場で飲むものとされています。
15歳以下の子供は飲んではいけないことも要注意。

飲泉には都道府県の許可が必要なので、年に一回以上は施設が検査をしています。
体に入るものなので、入浴よりはシビアになってしまいますが、そんなありがたい努力を思うと飲泉がもっと楽しくなりますね。

禁忌症というのは、こういう病気を持っている人は飲んではいけませんよ。というものです。
医師から診断を受けている人は要注意ですね。
絶対ダメではないこともあるので気になる人は主治医に聞いてみるとよいでしょう。

飲泉とくすりの関係

とまぁどこのサイトでもここで終わりますが、飲泉で注意することは他にないのか疑問が残るのでもう一歩考えてみましょう。
薬剤師なのでプロですから薬との関わりについて。

飲泉の前後に飲んでしまったら効きにくくなってしまう薬があるんです。


どういうことかというと、温泉によく含まれているミネラル分(鉄分、マグネシウム、カルシウム、亜鉛成分など)が薬の成分とくっついて塊になり、体に吸収されなくなってしまうことがあります。
せっかく飲んだお薬が体に入っていかないと期待された効果が出ないかもしれないので注意ですね。
お薬としては一部の抗生物質や甲状腺薬のチラーヂンが有名です。


そういった薬でも2時間ほど飲む時間をずらせば問題ないことが多いので、気になる方はぜひ薬局で聞いてみてくださいね。

注意点はありますがいつもの温泉をもう一歩楽しむために、飲泉できるところがあれば是非チャレンジしてみてください。

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この記事を書いた人

旅と温泉が好きな薬剤師です。
温泉はとくに炭酸泉が大好き。泡が付けばつくほど喜びます。

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